40歳代女性の方です。
はしごの昇降時、腰部に違和感出現しています。
その後、お尻や左下肢全体に強い痛み、痺れが広がり、杖を使用しなければ歩行も困難な状況でした。身体所見、MRI所見から腰椎椎間板ヘルニア(右図)と診断され、内視鏡下ヘルニア摘出術(MED法)が行われました。


術後経過
術翌日には術前の痛み・しびれが軽減し、歩行器での歩行が可能となりました。
術後4日目には歩行器なしでの自立歩行が可能になりましたが、下の写真の様に術前から痛みにより姿勢が崩れており体幹・骨盤帯周囲の筋力低下が著明でした。


入院期間中の理学療法は体幹・骨盤帯周囲の安定性向上を目標に体幹・下肢トレーニングを中心に行った結果、術後2週時(退院時)には姿勢の改善もみられ、連続20分歩行も可能となりました。
また、腰椎機能評価表(下表)においても術前と比較し、術後2週時(退院時)では全項目において大幅に改善みられました。
わきだ整形外科で行う内視鏡下ヘルニア摘出術(MED法)は低侵襲であり、手術翌日より歩行も可能となります。
そのため、比較的高齢の方でも身体への負担が少なく、術後早期に日常生活動作を獲得することができます。
また、術後はパンフレットを配布し腰椎に負担の少ない動作指導も実施しています。
理学療法においても患者様の身体的特徴をしっかり捉え、それぞれの患者様に必要な理学療法を提供していきます。

患者さん紹介:
20才の男性の方です。3ヶ月ほど前から右下肢後面の痛み・痺れが出現しました。痛みの増悪に伴い歩行困難が出現し、背筋を伸ばして立てなくなりました。
それまでは、他院でリハビリを受けていましたが、日常生活や仕事にも影響が出始め、知人の紹介でわきだ整形外科を受診されました。
しばらく、保存療法を行いましたが、痛みの改善はなく、わきだ整形外科にて内視鏡下ヘルニア摘出術を受けられました。


内視鏡下ヘルニア摘出術であるため、術後1日目から歩行開始となりました。術後1日目の耳点で、術前の右下肢後面痛・痺れはほぼ消失しており、スムーズに歩行獲得が出来ました。
しかし、今回の患者さんは、術前から強かった疼痛回避姿勢の影響もあり、股関節周囲筋の柔軟性の低下、下部体幹・骨盤帯の固定性低下が著明にみられており、完全には疼痛回避姿勢が改善されていませんでした。
そこで、身体特性に着眼点を移し、姿勢改善・再発予防を視野に入れ股関節機能の改善・体幹筋の強化・動作指導を中心にアプローチしていきました。
術後2週後(退院時)には、不良姿勢は改善され、腰椎に負担のかからない動作を獲得し、退院されました。